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いつも一緒に15 〜 大団円 〜


 その後、家族会議は円満に進められた。
 高校卒業までは週末婚的な形をとり、休日であれば和人の家に泊まって良いことになった。 そして、大学卒業を待って霧生の家に入ることになったのだ。
「しかし。……良いのですか?」
 隼人が史朗に申し訳なさそうに尋ねた。
「跡取のことですか? どっちみち本人にその気がないようだし、構いませんよ」
 理央は複雑な思いに駆られていた。自然と俯きがちになる。
 それに気づいた恵子がニコリと笑うと、
「どうせなら……この際、お父さん。もうひとり、いかがですか?」
 意味ありげな視線を史朗に向け、
「私、真琴ちゃんみたいな可愛い子、欲しいなぁ」
 真琴を膝の上に抱き寄せ、大げさに頬ずりした。
 理央には、それが後ろめたさを感じさせないようにする母親の配慮だとわかった。いつも自分の事を一番に考えてくれる。その心遣いが嬉しかった。
「無理だね。どんなに頑張ったって、精々オレどまりだな。真琴みたいに可愛いのは諦めた方がいいよ」
 にやにやして母の計画に乗る。
「僕は賛成ですよ。理央くんがもうヒトリ出来るなんて、幸せですから」
 その時を想像してるのか、やけに幸せそうな表情の和人に、「ばか」と呆れ顔の理央。
「私も賛成ですわ。理央君可愛いですもの」
 エリカが、うふふと上品に笑うと、隼人もそうだねと相槌をうった。
 一方、堅物史朗はこの話題にどういった反応を示していいのかわからず、残り少ないタバコに手をつけ、ひたすら遣り過ごしていた。
 まったくそんなの人様の前でするような話じゃないだろう?
 常識的な父はブツクサと心の中で文句を言う。
 けれど恵子は皆の反応に、女の子もいいわねなどと上機嫌だ。
「ね、お父さん?!」
 急に振られれば、思わず理央似の女の子を想像してしまう。そして結局、それもいいかもなと流されてしまう史朗だった。

 柔らかい日差しが窓から差し込み、緑の匂いが風に運ばれてくる。
 理央は皆の笑顔に埋もれ、しみじみ思っていた。
 この人たちに逢えてよかったと。この人たちの家族でよかったと。幸せをくれて有難うと。
 横を向くと、それに気づいた和人がすかさず微笑んで、手を重ねて。
 その手はとても温かくて、心を穏やかにしてくれる。この気持ちを分けてあげたくて、理央はギュッと握り返した。
 もちろん、最愛の人に向けた最高の微笑み付き……なのはいうまでもない。

 ─── 『幸せ』の定義なんて、人それぞれ違うもの
 ─── どう感じるかは自分次第
 ─── 最大限の幸せを掴む為に、最大限の努力をしよう
 ─── あなたと一緒に
 ─── いつも一緒に

end.

ほのぼのです。(^^; いかがでしたでしょうか?
お付き合いいただいた皆様、有難うございました。
次はいよいよ和人との生活ですか。短編で書くかもしれません(?)。
その時はまた宜しくお願いします。

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